Studio One Pro 7実際に一曲作ってみたのでレビュー
Studio One Pro 7実際に一曲作ってみたのでレビュー
Studio One Pro 7にある機能だけで一曲作ってみました
新機能を可能な限り使いながらデモが完成⬇️
それでは早速7のポイントを書いていきますね!
テンプレートが物語る
最初に表示されるテンプレートの1番上がレコーディングとミックス…
その下を見ていっても楽曲制作はでてきません
演奏系のプリセットはかなり下にあったのですが…
MIDI周りが制作するには致命的に解像度足らずなのでレコーディングやミックス用というのは正しいのですが、MIDI周り頑張らないのは残念でもあります
新規インストゥルメントDeep Fight One
Deep Fight Oneはサウンドスケープ系が得意
画面の通りシンセサイザーとしてはシンプルなパラメータ
▼を動かして3つの設定値のブレンド音を作り出すことができます
音色はどれも各帯域をしっかり使ったシンセサウンドとなっており、プリセットも凝っています
癖が強いですが厚みや存在感のあるシンセサウンドでした(デモ曲でも積極的に使用)
アドオンシンセプラグインLead Architectが標準に
Lead Architectというシンセサイザーはもともとアドオンサービスを利用するユーザー向け
7から標準プラグインとなりました
UIはDeep Fight Oneと一緒
音色の系統がLeadシンセ系というところです
こちらも存在感のある音色となっており曲にパンチが出ます
オーケストラ属は一通り揃っている
PSOシリーズという形で一通りのオーケストラ音源が搭載されています
音色の質感としては少しざらつく質感かつWet気味というところ
それなりに癖のある音色なので何にでも合うというわけではありませんが、今までの標準音色よりはとても優れています
新音色だと思ってましたが、7アプグレ内容に記載がないので前のアプグレの時の追加音色かも?
こちらもバイオリンをデモで使用しています
PSOシリーズはノートごとにアーティキュレーション変更できるようになっていました
ハープは上記の通りでクセの強い表現が多かったためLong Single Notesのみデモで使用
ノートに関わる機能
ノートに関わる機能は下記の通り
結構便利機能が多いのですが、そのほとんどがショートカットキーにアサインされていません
Studio One Pro 7を便利に操るには自身でのショートカットの配置が大切そうです
リズムトラックの制作方法は実にバリエーション豊か
標準音色なら音色名も見えて便利ですね
リズム系の音色だと最初から下記の表示となります
楽しいといえば楽しいのですが作り込むとなるとやはりピアノロールの圧勝
スケッチ感覚での使用ならありです
7では下記以外にImpactエディターを開いた際にもエディター内にステップ入力画面が表示されるようになりました
思いの外Impactエディターの新機能は使わなかったというw
サイドチェーンのアウト問題
サイドチェーンはデモ曲でもかけていますががっつりかかるイメージです
特徴的なのはサイドチェーンの閾値となるトラックのアウトプット項目はメインかサイドチェーンしか選択できないこと
下のKickも再生しながらサイドチェーンした音色も鳴らすということができません
そうしたい場合は別途同パターン配置のKickトラックを作成する必要があります
センドを使ってうまく抜け道が作れそうではありますが…
コンソール画面
コンソール画面は下記
画面サイズも影響するかもしれませんが、デフォルト幅でコンソール画面を開くとセンドが隠れて見えなくなっています
また、センドをオンにすると0dBでかかるため困ります
フェーダーもデフォルト幅では少し動かすと0.4-0.7dBくらい動いてしまい、0.1dBずつあげるにはかなり縦幅拡大を必要とします
なにより問題なのは幅に対して固定な数値の動きではなく毎回数値が微妙に変動するため非常にストレスとなります
相変わらずアレンジウィンドウのトラック名とコンソールウィンドウのトラック名が同一にならず独自の仕様で名称がつけられています
慣れの問題かもしれませんが他のDAWより一手間多いのは間違いありません
チャンネルストリップはだいぶん綺麗(機能美)になりましたがミックスが売りなのであれば厳密なdB管理ができようになってほしいところですね
マスタートラック(メインボリュームのところ)問題
相変わらずマスタートラックをアレンジウィンドウに表示させる機能がありません
上記のトラックを表示させるにはメインのオートメーションを一旦オンにして適当にオートメーションを書き込む必要があります
なぜ頑なに機能追加しないのでしょうね…むしろ最初から表示されていてもよいくらいの勢いなのに
エクスポートの謎
ミックスダウンをエクスポートする際、マスターに付属するラウドネスメーターをさして、dB管理もしっかりした上で-0.3dBのマージンありで書き出すと1.3dB割れて書き出しに失敗となりました
結局割れたと表示されているdB分を全トラックから引いて「ラウドネス」項目でYoutubeを選択して書き出す形に
6もそうでしたが標準ラウドネスメーターまわりがどうも怪しいです
サードのラウドネスメータープラグインと比較すると値が違っていたり
今回の件でコンソールのメインアウトdBすらも怪しい気配となっています
ミックスを売りにするにはかなり致命的
書き出し時ラウドネスコンプレッションみたいな機能があるのが唯一の救いです
まとめ
楽曲制作においてのリージョン(クリップ)動作や各種ツール動作、ピアノロールやステップ入力画面などはかなり感覚的に使えるようになっており、6よりストレスなく素早く曲作りできるようになりました
ショートカットを割り当てればかなり快適な編集ができると思います
ただしMIDI分解能が致命的に低いこと、イベントリスト未実装なため細かい値を設定できないことなどプラグインやハードシンセを使う場合繊細な制作ができず「使えないDAW」というポジションのまま
ミックス、マスタリングにおいてはチャンネルストリップの改善によってみやすくなりました
ウィンドウ幅によってdBの管理がぐちゃぐちゃになる点やdBの内部処理が?でエクスポート時に割れたりとミックスマスタリングでは致命的な問題点を抱えています
標準エフェクトは使いやすくミックスしやすい環境ではあるので勿体無いですね
音色リストが表示される右側ウィンドウでどのような音色なのかクリックしてすぐわかると良いのですが実装されていません
使いたい音色をトラックにドラッグ&ドロップするタイプのDAWでは実装が必須なので次回に期待
今回はレクトロニック・ミュージック、ビートメイカー、パフォーマー向けのアプグレと謳われている通りクラブミュージック制作には向いている機能が搭載されている印象です
Cubase 14との比較はまた別途記事化予定ですがスケッチ感覚ならStudio One Pro 7
スケッチ以上に作り込むならCubase 14、業務用ならNuendoという図式です
Studio One好きで6の方は間違いなく7をお勧めします!