AG08の登場など国内音楽メーカーが続々「配信」機材に力を入れてしまう件
AG08はヤマハの配信用オーディオインターフェイス
AGシリーズの上位としてAG08が登場しました
この機材はまさに配信専用かつ、音楽を知らなくても操作できるよう設計されたオーディオインターフェイス
右端についているボタンで効果音(SE)を再生できる
左端にはボイスチェンジャー、簡易コンプレッサー/EQ、簡易リバーブ
8ch(ステレオ換算4ch)の機材を繋ぐことが可能でミニジャックインも搭載
PCと繋いだ場合、PCの3つの音声を個別フェーダー操作可能
コンデンサーマイク2本分まで対応
エレキギターなどの楽器接続可能
と、配信に必要な機能は一通り揃っています
配信という観点ではHDMIがついていてその音声部分の操作ができ、ビデオ部分はそのままPCへインできたらビデオキャプチャー入らずになり無敵なんですが…
こういったHDMI系はローランドという国内メーカーのが得意なのでそちらに期待といったところでしょうか
AG08は音楽家向きではない
当たり前ですが、各種パラメータを簡易にしてしまっているので音楽家が使う機材ではありません
こういった傾向はコロナ渦になってからローランドが先立っていました
ここでヤマハのサイトを見てみましょう
サイトの上部にきているものが売れ筋
現在DTM系は11番目扱い
本来ヤマハの独走状態だったブロオーディオは12番目
DTMブーム到来というより「配信」ブーム到来という形になっているのです
このことは音楽家とは切れない関係にある芸能の世界でもそう
エンタメのメインストリームが「配信」へシフトしているのです
でもニッチ
誰しも配信を一度はしたことがあるみたいな時代
でもスマホ一台で完結してしまうことってありますよね?
少し上を目指すとPCになりますが、下記のようなUSBマイクさえあればPC上でAG08のようなことが高度なレベルでできてしまいます
しかもそれらは配信アプリであるOBSに統合されており、無料で使えます
AG08のような物理装置は安心感抜群ですがどうしても物理機材であるが故のとっつきにくさが発生します
配信時の安定感をとるか、手軽さでとるかという感じですね
基本的に手軽なものが流行るためニッチ分野となってしまうのです
プロ用機器の衰退
ブロが欲しがる機器としては物理かソフトウェアタイプかどうでもよいこと
重要なのは「良い音」で「新しいサウンド」を創れるかです
この二つが成立すると新しい音楽ジャンルが生まれるほどなのです
ローランドはSH-4Dというシンセサイザーを発表しました
この機材はモバイル用途をブッシュしており、電池駆動し一台でリズム、ベース、コード(SEQ)、メロディなどを組み込めるようになっています
「外出時に楽曲をさくっと創れる」というコンセプトなのです
これは現代の音楽家にとって理想のひとつといえるため、コンセプトは掴めています
が、肝心の音がよくありません😓
SH-4Dを買うお金があるのならiPadを買った方が色々なことができるし良い音が鳴ります()
音楽において1番の問題であるApple端末
これが優れすぎており現在の音楽においてWindowsすらも霞んでいる状態
少し前からWindowsがでてくる時というとリアルタイム照明機器コントロールというイメージに…
過去のリメイクなども出尽くしてきて、アナログシンセもヒットせずソフトシンセは生楽器のガチエミュが激しい時代
シンセサイザーという観点において音楽業界は縮小が続いてしまっているのです
まとめ
各メーカーが培った技術を活かす場所が「配信」になったということです
売れるものを作るのは当たり前のことです
が、新しい音楽を生み出す力は1980年代以降シンセサイザーの発展とともにありました
コロナ渦以降の音楽ジャンル停滞を解消する機材の登場を待ち望む一方、音楽家側もシンセサイザーという分野に限界が来ていることを知っていたりするのです…()