Cubase 14はこれまでのシリーズと違う動作や音質になり旧バージョンとの互換性がなくなるので注意
Cubase 14 発表
Cubase 14が発表されました!
今回のアップデートは今までの流れを覆すポイントがありますのでしっかり確認していきましょう
重要
メモリー割り当てを最適化するために、コードベースでのキーデータ構造のアップデートを行いました。これによりアプリケーション全体、特に多くのデータを扱う動作である起動時、大規模なプロジェクトの読み込みや保存時、そして多くのイベントを一度に動かす時などにパフォーマンスの向上がみられます。
公式によると上記の記載があります
コードベースでキーデータ構造を変えているということは旧バージョンと内部動作が違うということ
メモリー割り当て部分のみに影響するのであればプラス部分は公式の通り
マイナス部分でみる場合メモリー割り当てを扱うサードプラグイン動作への影響未知数
この最適化によって音質が変化する可能性は低そうですが絶対0とも言えず難しいところです
イベントボリュームカーブのテクノロジーを刷新したため、Cubase 14 プロジェクトでのイベントボリュームカーブを再現するためには Cubase 13.0.50 以降のバージョンで開く必要があります。Cubase 13.0.50 未満のバージョンではこれらのカーブは完全に再現されず、誤ったボリュームレベルとして認識されます。
Cubase 13.0.50未満のCubaseバージョンでCubase 14のデータを開くと誤ったボリュームレベルとして認識されるということです
一般的に下位のバージョンデータを開くことが多いので問題にならなさそうですが…
古いCubaseのデータを14で開く際はイベントボリュームカーブを正しく再現するためのコンバーターを搭載、トラックアーカイブの書き出し機能(選択トラックを書き出す)に、旧バージョンとの互換性のための選択肢を追加しています
刷新ということは未知のバグが潜んでいるとも言えます
14が安定した環境とは言い難い状態であることを覚悟する必要があります
64ビットのプロジェクトファイルフォーマットを使用し、2GB を超えるプロジェクトを扱えます。この改良により、オーディオエクステンションや一部のサードパーティ製インストゥルメントがデータを直接プロジェクトファイルの中に保存することによって生じる、ファイルサイズの増大に対処できます。Cubase 14 で保存したプロジェクトは、デフォルトでこの64ビットの “RIF2” フォーマットになり、Cubase / Nuendo 13.0.30 以降でのみ開くことができます。古い32ビットフォーマットで保存されたプロジェクトは、特定の条件でなければこのままの形式で残ります。
プロジェクトファイルの内部データ構造が変化しているということですね
こちらにも未知のバグが潜んでいるリスクを意識する必要があります
興味深い箇所
興味深い箇所としては下記2つがあげられます
・VST2プラグインの廃止
VST2 プラグインをどうしても読み込みたい場合は、VST プラグインマネージャーにおいて VST2 プラグインスキャナーを手動で有効化すれば、スキャンを行えるとのこと(Apple シリコン Mac でのネイティブモードでは不可能)
VST2プラグインを扱うことがあるならやはりWindowsでしょうか
レガシープラグイン(フリーVST系含む)を使うことができなくなる、正確にはサポート外となるということです
・Windows on Armに対応予定
Cubase 13.0.50 では Windows on Arm に対応したプレビュー版を提供しており、Cubase 14でも対応予定とのことです
次世代Windowsが12であるといったお話とは別でArmチップ(MacでいうところのMシリーズ)動作可能なWindowsに対応という意味です
現時点ではArm搭載SurfaceやMシリーズMacにてParallels Desktopから立ち上げることが可能です
スコアエディターについて
スコア絵でいたーはDoricoの技術を導入して一新
こちらも一新とのことで未知のバグが発見される可能性があります
MusicXML 読み込みには非対応です。(将来的には搭載予定)
スコアエディターは技術的にも全く新しいものであるため、以前のスコアエディターで作成した楽譜の読み込みと再現は完全には行えません。
アルペジオ、グリッサンド、オクターブ線などいくつかの楽譜記号には非対応です
公式によると上記の通り
MusicXMLに非対応なので現時点では楽譜作成アプリとの連動はMIDIデータのみ
スコアエディター一新のため過去に作成した楽譜の読み込みや再現が完全ではない(ここにバグが潜んでいそう)
楽譜記号がないという致命性
半端な雰囲気がする+別物のスコアエディターになり過去のデータ互換性なし+バグの予感
なかなかこの部分にも危険が潜んでいます
新機能について
ミックス画面のチャンネルの配置変更がドラッグ&ドロップでできるようになった
AutoFilter エフェクト、簡単なワンコントロールの Underwater エフェクトが追加
サンプルのピッチやスピードを MediaBay 上で直接確認。トランスポーズやワープの具合もプレビュー
範囲選択ツールが、新機能とワークフロー向上と共に大きく改良
外部 FX やインストゥルメントのデバイスポートを共有
異なる DAW の間でプロジェクトを交換できる新しいフォーマット DAWproject に対応(現状はBitwigと連動可能)
内蔵 Dolby Atmos レンダラーが 7.1.2 および Stereo Direct に対応
キーエディター上のそれぞれのノートに、再生確率を設定すると、プロジェクトがバリエーション豊かに(ランダム機能)
ノートごとにベロシティーの変動量を調整することで楽曲にライブ感を付加
システムの処理能力に挑戦するようなプロジェクトでは、パフォーマンスモニターで正確に、原因を突き止めることが可能
プロジェクトファイルが 64 ビットフォーマットに対応
バックアップファイルを、専用の Auto Saves フォルダーに保存
範囲選択ツールが、新機能とワークフロー向上と共に大きく改良
必要に応じてルーラーを表示でき、個別にオフセット設定も可能
4次 Ambisonics に対応
SpectraLayers Go 11 追加により音楽制作、サウンドデザイン、整音などのオーディオ編集機能が向上
SuperVision でのメータリング表示を周波数や信号の強さに応じてカラー表示
4K/8K ビデオに対応
フェーダーから独立してトラックのレベルを設定できる Volume プラグインを追加
統合されたパターンエディター
パワフルで直感的なモジュレーター
ビートメイキングを格段に高速化するドラムトラックと Drum Machine
新しい Shimmer エフェクトで、非現実的なリバーブスペースを作成
StudioDelay はみずみずしいエコーから実験的なサウンドスケープまで作成可能
録音したオーディオを最大限に活用するために、強力なイベントボリュームカーブで編集可能
今回の追加機能を見る限り、Cubaseの内部強化とクラブミュージック系制作機能強化という印象です
価格
アップデート価格は
Pro13-Pro14 13200円
Artist13-Artist14 9900円
Elements13-Elements14 3630円
とのこと
据え置きの様子ですね
Studio Oneが強気のアプデ価格できたためStudio Oneの半額に抑え込む形の様子
年一支払うユーザーの負担としてはこのくらいが妥当かもしれません
まとめ
新機能はわくわくするものですがCubaseには伝統的にバグを放置したままアップグレードしていく癖があります
過去バグを引き継いだまま次のバージョンが出たり、過去の操作体系を変動させたりとユーザーを悩ませています
特にバグにハマると曲作りどころではなくなるレベルです
WindowsでいうならWindowsクリーンインストールのあとCubase 14インストールして動作確認して問題なければOSバックアップとって必要プラグインを少し入れてはバックアップの繰り返しで動作がおかしくなったら復元ポイントまで戻る…
これくらいしないと安定した制作環境を得られないことがあります
Mac版はWindows版ほどインストールに癖がないものの、フリーVSTは圧倒的にWindowsに多いという状況
ただこの状況もWindows on Armが普及した場合Macと同じ方向性になっていくため気にしなくて良いかもしれません
14の怖い点は「新規に内部構造を作り替えている」ところにあります
新規部分に潜むバグ、新規部分と旧来の部分との間で起きるバグなど未知すぎるのです
それゆえに安定版を13として、14 はゆくゆく安定するものとして共存させるパターンがありえます
※13にもバグが多いため注意 バグ情報は本ブログにもあります
13未満のユーザーにとって14は一方通行となります
過去のデータを14で保存してしまうと13未満のCubaseでは開けませんし、14で作った曲も然り
現在使用していて問題のないCubaseを安定バージョンとして、Cubase 14は新規に別環境のPC/Macにインストールするのが望ましいでしょう
新しいもの=良いもの
という状況を作り出せているのはDAWではLogicくらいです
どのDAWも少し古めのバージョンが安定バージョンとなります
新規DAWを導入することは制作環境を壊すリスクがあるということを忘れずに!