Pro Tools |MTRX StudioとPRO TOOLS 2021.10レビュー
Pro Tools |MTRX Studio
あまりネット上に情報のないMTRX Studio
今回はその音質に再度迫ります!
まず、MTRX StudioとはHD I/Oの後継機種になるはずだったほぼAVID Pro Tools専用オーディオインターフェイス
ディスコンするかと思われたHD I/Oが未だ販売され続けており、さまざまなPro Tools HDX対応サードオーディオインターフェイスの登場により、あまり出回っていないようにも感じます😓
HD I/Oと比較した場合、MTRX Studioはアナログ-デジタルI/O部分が固定されており、標準構成ではAES/EBU I/Oがありません
HD I/OにはDANTEがなくMTRX Studioにはあります
これによりシステム拡張して64×64の入出力を持つことが可能となっています
MTRX Studioの利便性
MTRX Studioで便利なのは本体前面での操作性と入力端子
フォーンX2端子がついており、直接フォーン端子を使った楽器の録音ができます
音質も良く、ブースに入る必要のない楽器などはコントロールルームで録音できます
ヘッドフォン端子を2つ前面に用意
これにより、ヘッドフォンアンプを設ける必要性は必ずしもない
そして、出力される音質はとても良いです
ハードウェアの入出力周り、あまりに膨大で自由なアサインが可能となっている点が良くも悪くも
慣れてしまえば入出力管理がPCだけで済むことに大変利便性を感じます
総じてHD I/Oより格段に利便性が高くなったといえ、他社オーディオインターフェイスに近い感覚でも操作ができるようになっています
のちに Carbonというオーディオインターフェイスが登場しましたが、小出しでAVIDが情報公開した結果
Carbon = Macのみ + 25in 34Out固定 + 8HDX DSP(2.8Ghz) + ステレオのみ
であることが判明しました
MTRX Studio = Mac/Windows +標準64in64Out +DANTEあり + 18 HDX DSP(6.3GHz) + サラウンド対応
となり、時代の要であるサラウンド対応という観点からCarbonは選びにくいように感じます
AVIDは時々ハズレ製品を販売するので要注意ですね…()
MTRX Studioの音質
前面のフォーン端子、ヘッドフォン、背面各種アウト端子、すべてにおいてHD I/O上位という印象
音質の方向性はHD I/Oでありながら、さらに高解像度かつ音の輪郭や定位が掴みやすくなった印象です
AVID純正オーディオインターフェイスとしては純粋にHD I/Oから進化しているといえるでしょう
MTRX Studioは他社DAWでも使える
Logic Pro 10.7.4でオーディオインターフェイスとして扱えることを確認しました
ただし、Logic側のサンプルレートを切り替えてもMTRX Studioのサンプルレートは切り替わらず、相互を手動で合わせる必要があります
もしサンプルレートが互いに違う場合、音が一切でません()
このあたりの情報はネットにもなく、最初謎になりますw
PRO TOOLS 2021.10
Native Instruments NKSに対応したというのが売りっぽいですね
ただ、MTRX Studioならばeuconを使う方が利便性が高いように感じます
そもそも、PCキーボードオンリーなエンジニアさんも多いのでeuconが流行っているように感じませんがw
Pro Toolsに関してはどれだけバージョンがあがっても伝統的なショートカットキーなままなので、上記のようなキーボードのが作業効率アップするのですw
Pro Toolsに関してはHDX上でハイブリッド・エンジン機能を実現した2021.6のアップデートのが重要でした
これにより、オートでネイティブプラグインとDSPプラグイン切り替えされるようになります
トラック毎についている⚡️ボタンで視認することができ、プラグインを選ぶ際にネイティブかDSPかといった形ではなくなっています

この⚡️ボタンは直感的でよいのですが、ピークメーターがかなり視認しずらくなり、意味を理解しないと上記のように赤ランプが😇
ほか、Pro Tools | Ultimateでは、 H.265/HEVC bビデオのインポート/エクスポートにも対応している点がよいですね
スタジオワークにおいて、いかにPro Toolsの束縛から離れられるかが話題になりがちですが、一周まわってレコーディング安心感=Pro Toolsという印象に
ただ、サブスクリプションだけっていう売り方をやめない限りプロ以外に浸透しないと思われます
現状買い切りのLogic Pro、Digital Performer 2強
Pro Toolsもせめて無韻だけでもサブスクリプションをやめれば、普通に一般浸透できる能力持ちなんですけどね…
まとめ
総じてHD I/OシステムのスタジオでレコーディングするよりMTRX Studioシステムのスタジオでレコーディングする方が音質が捉えやすく、ライン録音の浸透した今にも取り回ししやすい印象でした
レコーディングはやはり宅録より優れた音響システムとディレクションしてくれるエンジニアさんがいるスタジオがおすすめです
一般の方が気軽にレコーディングスタジオを使って、しっかりとした音楽制作に向き合ってくれることを願います💡