ネットにおける投げ銭機能について2019年6月編
投げ銭とは
そもそも投げ銭と聞くと何を思い浮かべますか?
わかりやすいのは路上でパフォーマンスをしている人ですね。
👇のような風景をみたことありませんか❓
この人の歌好きだから応援したいなと思ったらギターケースの中に小銭を入れる。
まさにこれが投げ銭ですね♪
ネットで様々な活動をする人たち
さて、ここで一旦最近の事情を考えてみましょう。
今はネット全盛期。ライブに行こうと思うのもネットを見てから。
それどころかネットだけで活躍しているユーチューバーさんなどたくさんいます。
動画コンテンツで有名なのはYouTubeの収益化ですね。
ところがこのYoutubeの収益化は非常にハードルが高いのです。
2019/06時点で1000人以上のチャンネル登録者、一年分の総再生時間4000時間が条件。
さらに、今はYoutubeが文化的ではないと判断したものは上記を満たしていても収益化できなくなりました。
有名どころでゆっくり動画という特定の合成音声で作られた動画は収益化ができない状態が相次いでいます。
ブログやウェブサイトもそうですが、正直なところGoogleさんのご機嫌次第で訪問者は激変します。
このサイト運営者である私の場合、無料でオリジナルBGM素材やアレンジ作品を公開して動画コンテンツやゲームコンテンツなどを作る方の支援をする目的で創作を続けています。
ですが、無料というのは使い手には便利でも無料コンテンツの作り手には過酷な状況なのです。
たとえば、フリーBGM素材を作るとしましょう。1曲がどれくらいの期間でできるかは人それぞれなのですが、一曲あたり最短1時間〜最長年単位かかることもありえるのです。その間休憩や学校、お仕事に行っていたらもっと日数がかかってしまいます。
私の場合は現在完全にフリーBGM素材制作に時間を割き、食費は1日500円以下、衣服は頑張ってアフェリエイトで得た微々たる金額で、住まいは寝袋生活です😱
アフェリエイトがあちこちに貼られているのはそのためなのです😓
私の例は特殊もいいところでそこまで人生を振り切れる人はそういません。
ほとんどの人は何かしら軸となるお仕事、学業をされながら遊ぶ時間寝る時間を削って創作活動をされています。
さて、そんな創作活動を維持するにはどうしたら良いのでしょうか❓
創作活動で生活するには
昔からの手法をピックアップしてみます
- 人前に実際に出てパフォーマンスをする
個展を開く、ライブをするなどの実演 - 創作したものを形にして販売する
書籍、CD、イラスト集などの販売
大きく分けるとこの二つになります💡
実はこれ、ネット全盛期の今も変わらないのです😳
そう、ここからが難題。
ネットはデジタルの世界。イラストも文章も音楽も複製できてしまいます。
複製の容易さは価値を落としていきいずれ無料に行き着きます。
今風に置き換えると
このような形です。あげればきりがないほど様々な場所でパフォーマンスや販売できるのも特徴です。
もうお気づきかと思いますが、この時代においては実際の場所に赴かなくてもスマホさえあればいつでもどこでもコンテンツの視聴閲覧ができてしまうのです。
さて、ここまで見ていくと一点?なものがあります。
それがリアルタイム配信。
例えばライブイベントを行なっての収入はライブのチケット販売や当日のグッズ販売(物販)です。
ネットではどうなっているのでしょう❓
リアルタイム配信での収入
リアルタイム配信での収入でようやくでてくるのが投げ銭です。
数年前からSHOWROOMという生配信サイトが投げ銭機能を導入しており、アプリ内で購入したものを配信中に投げることで出演者に収入が入るシステムです。まさに最初に紹介した路上ライブの投げ銭と同じですね😊
ネット配信のすごいところはとにかくたくさんの人が見れることです。
これにより人によっては一回の生配信で数十万円以上の投げ銭を得ることもあります。
わざわざライブハウスにお金を払い苦労してフライヤーを発注して手配り告知するのがバカらしくなりますね😳
このようにして、投げ銭という概念は時代を超えて現代最も効果的な収入方法になっていったのです。
では、創作活動そのものをメインにするような人はどうなっているのでしょうか❓
創作活動における投げ銭システムを考える
まず、大前提に創作活動とは創作物に対して対価が発生することにあります。
自らがパフォーマンスをする場合は先ほどのリアルタイム配信となりますので例えばピアノを弾きながらオリジナル作品を創れる創作家兼パフォーマーのような例は省きます。
少し前にも触れましたが創作物はリアルタイム性が強いとは言えず、モノが出来がってこそ初めて創作物となるのです。
小説を一文字ずつ執筆している様を配信するなど創作物が出来上がる過程を見たい人はよほどなコアファンしかいないでしょう。
それでは出来上がったモノに対して投げ銭をするのでしょうか❓
しにくいですよね❓
出来上がった創作物を買う。
多くの人は購入するという形に落ち着くはずです。
ところが、ここが問題。
イメージしてみてください。
ユーチューブの全ての動画が有料になったら❓
世の中のすべての音楽を視聴するたびに有料になったら❓
イラストや絵画を見ることそのものが有料になったら❓
多分視聴者数は激減します。
もともとはどの分野も有料だったのです。
例えば、コンサートに行く、美術館に行く、映画館に行く
もちろん今でもこれらは残っていますが、圧倒多数が無料で視聴できるほうによってしまい、有料で見るならばよほどのファンにならないと見てもらえません。
そう、無料ですら視聴してもらえない可能性が高い時代なのです❗️
🔽逆に日本はパパラッチ化している側面がありスクープ映像は売れますが()
このような状況下で投げ銭を導入したとしても投げることは厳しいことが明確です。
良いモノを作れば収益になるのではなく如何に作り手がカリスマ性を帯びるかのが重要になってきています。
ところがこのカリスマ性と芸術性は必ずしもイコールではありません。
いつの時代も人前へ出るパフォーマーや話術を駆使する人は社会で大きな地位につきます。
良いものを作る人が生きているうちに評価されることはいつの時代も少なく、カリスマ性を持った人に評価されてこそ初めて認知されるのです。
投げ銭とはカリスマ性がある人がファンからお金を募るからこそ効果があるのです。
言い方を変えればビジネスにおける投資もそうです。圧倒的な話術と人を沸かす企画力こそ世の中を動かすのです。
このことからクリエイター支援は実は大衆支援されるというよりパトロンとなる大富豪によって成り立つという歴史もまた変わらず続いているのです。例えば昔の宮殿音楽家は王族がパトロンになってくれているように。
これをふまえて実際にクリエイターにおける投げ銭システムを見ていきましょう
クリエイターにおける投げ銭システムの今
まずは、たくさんの会社が投げ銭システムを提供していますがかなり絞って見ていきましょう。
月額制にて無料プランと有料プランとを作りファンとコミュニケートしていく会員制度。
映像、音声、画像などを提供することができます。
有料プランでも特典をつけなくて良い特徴がありますが心理的に特典のない会員制度に入る人はごく少数でしょう。
ほとんどファンクラブといっても過言ではありません。
Ofuseは、ただファンレターを送るだけでは飽き足らず、お金をかけて支援もしたい!という一ファンと、クリエイターの間を取り持つサービスです。クリエイターには投げ銭された額の一部が分配金として還元されます。
私もこれは試しに始めてみましたが登録してみて気になる点が。これは後ほど。
下記が私へお布施できるOfuseページになります。
Osushi
簡単に言うとファンは応援したい人にお寿司券を送れます。
このサイト2019年6月末にてサービス終了するのでリンク付紹介はしませんがサービス終了するという点がポイント。
お布施サイトの気になる点
さて、さきほどのお布施サイトの気になる点についてです。
見てもらうとわかりますが上位は18歳未満見れない三次元ものばかりです。
最近のツイッターやインスタグラムの規制に伴いこちらへ移行している人が多そうに見えます。
似たサイトにEntyというサイトがありますがこちらはイラストが上位を占めています。
公式ツイッターを見てもらうとわかりますが運営会社がお布施系の運営自体厳しいものであるとツイートしています。
こういう、作家さんにほとんど還元します!のようなサービス、なかなか継続しないというか、確実に売り上げが黒字にならないので大概一年後に見にいくと無くなってたりしますが、各々別の価値を生み出して売り上げだけで生きながらえないようにすることができるとちょこちょこ生き残ります。
— Ofuse運営 (@Ofuse_official) 2019年5月31日
また、開始から一年経って1000通以上とも。これは逆に少ないように感じます。
本日でOfuseはサービス開始から1周年になります。これも、常日頃から応援してくださっている方々のおかげです!本当にありがとうございます!画像はメンバーからの気持ちです。これからもよろしくお願いいたします! pic.twitter.com/0DtbI33UG3
— Ofuse運営 (@Ofuse_official) 2019年3月25日
そして何より住所電話番号銀行口座身分証明すべての個人情報を提供することになり、よほど大手会社でない限り安心できません。
私の場合は正直この記事を書くために登録しました🤭
Osushi
Ofuseの公式ツイートでも触れていましたがこの手のお布施サイトは一年も持たず撤退しているようです。
そしてこの手のお布施系業者の全盛期はどうも2015-2016年頃の様子。
URLに対してお布施できるというサイトもありますがなんとhttps非対応。このページにリンクすら貼れません。
https化してないサイトはかなりありました。
※httpsとはSSL証明書がついた安全なサイトを意味します。http://で始まるサイトは2018年より各種ブラウザにおいて安全ではないサイトと警告が出るようになっています。
お布施サイト考察2019
それではお布施サイトをまとめていきます。
- https化していない古いサイトが多い
- 本業は別にあり2015年頃に実験的に始めたと思われるサイトが非常に多い
- iOSやAndroidアプリ化していないものがほとんど
- 個人情報を搾取しているだけの可能性を強く感じるほど個人情報管理が曖昧
- セキュア化が一元的ではなく様々な金融会社および個人情報管理サービス会社の複合となっている
- 設立後一年も持たないベンチャー感が強い
- そもそも運営会社そのものが儲からないとツイートしている
- サービス開始してからそのまま放置されているサイトが多い
- 規約が曖昧または一方的
- サービスの使い方が不透明またはグレー(割り勘アプリなんかいくらでもグレーな使いようが…)
さて、ここまで羅列した段階でお気づきかと思いますがクリエイター属性の人にお布施システムは相性が良くないのです。
やはりクリエイターは制作依頼が入ってこそクリエイターなんですよね🕊
まとめ
前述の通りクリエイターを応援する人に対しても投げ銭は相性が良くないです。
たまに投げ銭する程度でクリエイターは食べていけません。
だからといって投げ銭のために頻度を上げて毎日表現意義なく作品をクリエイトすることは困難です。
そしてクリエイト過程を見せても楽しいものではありません。
故に、投げ銭といった概念が通用するのはカリスマ性のあるエンターテイナーやパフォーマー一択なのです。
補足 他に収益を得る方法
クリエイターならこのプロジェクトが完成するのにいくらかかるといった形のクラウドファンディングのがまだ向いています。
ですが、クリエイターといっても例えば映画やゲームのような総合創作物集合体に対してであり、音楽だけでクラウドファンディングを成功させるのは至難の技です。
余談ですがリアルタイムではないお布施サービスの利用なら安心できる大手Apple、Amazon、楽天、LINEあたりではないでしょうか。
Paypalは世界的にみると最も安定した決済システムですが日本には馴染みが薄い点が問題点です。
そしてクレジットカードも何気にハードルが高く、国内ではアマゾンギフトカードやiTunesカードの方が扱いやすいのです。
そこには個人情報を晒されたくないという国民性が潜んでいるかもしれません。
この個人情報の不安定さ取り扱いの不気味さは今回本当に体感しました。
日本で流行るシステムは匿名によるアプリ内課金とギフトカード。この二択だと感じます。
今後クリエイターが創作に集中できる環境が生まれてくると良いのですが創作だけで生活するにあたり大衆がパトロンになることは難しく、制作依頼による対価や大富豪がパトロンにつく構造であることはこれからも変わらなさそうです。
と言うわけで私は今日もブログを更新しなければならないのです😓
フリーBGM素材をファン特典にするなんて発想はこの時代に合いません。
使われてナンボ。有名エンターテイナーに使われてこそ初めてBGMは世に認知されるのです❗️
引き続き有益な情報を提供できるよう頑張りますので応援よろしくお願いします👍🏻
そして、この記事はクリエイターの皆さん、ファンの皆さんはもちろん、今後お布施システムを作ろう改善しようとしている企業さんにこそ見て頂きたいのです。クリエイターを使ったピジネス成功の方法が隠されている気がしてなりません💡
⬆️ココナラは音楽制作の依頼もできるそうでここにクリエイター登録するのも良いかもしれません。というか何でも代行屋みたいな感じですね。
なかなか面白い試みだと思います♪